spectrum CRMX

 知人からLumenRadioの電波がWi-spyだと弱々しく映るので心配という連絡をいただき、おや?と思って調べたのですが、当社で扱うLumenradioのDMXワイヤレスは、周波数ホッピングという方式を使っており、1MHz単位で高速に周波数を切換えるシステムです。これは送信機と受信機間でIDを参照し、互いに同期して電波を切り替えるもので、同じ環境にCRMXの送信機が何機あろうが、それぞれに接続した受信機との間で、それぞれにホッピングパターンを変えて、互いが干渉することなく、通信を行う事が可能です。

拡散周波数方式の一種に分類されるこのホッピングシステムですが、通常の周波数拡散方式が、中心周波数を挟んで5MHzを1つのチャンネルと定義し、このチャンネルを1つ選んで、一定の周波数帯域全体で電波を放出するのに対し、ホッピング方式だと、特にLumenradioの場合、2.4GHzから2.5GHzの間で、1スロット(1MHz)単位で、しかも自動で切り替えるシステムのため、通常はWiFiなどのためのサイトサーベイツール(事前調査)では、うまく表示しないのではないかと想像します。(Wi-spyについては、あまり詳しくないので、お店の人に確認したところ、そういう回答でした)

日本の電波法の規定では、電波の強さは、送信する帯域全体で見るようなので、周波数ホッピングシステムの場合、かなり広い範囲で電波を放出することとなり、1スロットあたりの強さは、3mW以下にするよう規定されています。(通常のチャンネル単位で行うSS方式は10mW以下)そういう意味では、Wi-spyのようなスペクトラムアナライザーにうまく表示されなくても当然かもしれません。

写真は、LumenRadioに付属するスペクトラムアナライザーですが、当然のことながらリアルタイムでの周波数切換えを表示することはできません。このツールは、Lumenradioの送信機のアンテナを利用して、周辺に飛ぶ電波を表示してくれる便利なツールです。これを見るとオレンジが周辺のワイヤレスの電波で、グリーンがCRMX自身が出す電波という表示です。ここで見る限り、帯域全体にグリーンが表示され、広く分布しているのがわかります。また、グレー表示は、よくぶつかる範囲を使用しないようにこちらでKiLLした範囲のチャンネルです。こうすることで、周辺機器との共存も可能になります。
こうした点がLumenradioの特徴で、その良さでもあります。ちなみに最大の送信距離は、500mになります。(もちろんよい環境でのことです)