照明のネットワークシステム推進論者 ? として、当ブログでは、この4年ほどの間、さまざまな情報を発信するとともに、昨年には、照明家協会のセミナーのほか、InterBEEという展示会でも話をする機会を得ました。関係方々には、感謝をいたしております。

 そのおかげで、皆様方において、ネットワークシステムについてのご理解が進んでいるのではないかと思っておりますが、時々いただくご意見に、私の主張が1つの方向性に偏っている印象を与えているように感じることがありますので、再度、この誤解を解くべく、話をしておきたいと思います。

 まず、照明のプロトコルに関して、私はアートネットだけを推進しているわけではありません。さりとてsACNだけがベストな選択肢だとも思わないし、パスポートプロトコルが悪いとも思いません。結局、今、使いやすいプロトコルを複数サポートしておけば、使う側が選択する話で、実はそれでいのではないかと思います。しかし、今、互換機材が多いのはアートネットなので、アートネットが便利であるのは確かです。そしてメディアサーバーも扱っている自分としては、アートネットは特定の企業が作ったプロトコルであろうと、ここまで広く普及したら、否定はできない。これも事実だと思うのです。

思うに、通信プロトコルはオープンなほうがよいし、その意味では、アートネットもsACNもそのどちらもが選択肢に入るだろうと思います。ただ、残念ながら、プロプライエタリープロトコルは周囲のさまざまな機器との互換を考えると、大きなシェアを持つのは難しいと言わざるを得ません。

次に、ネットワークの冗長化について、リングプロトコルを使ったトポロジーだけを推奨しているわけではなく、舞台向けの冗長化の仕組みとして、リングトポロジーの仕組みが最適だと感じているため、お薦めしているのであって、決してスパニングツリーが悪いと言っているわけではないのです。
正直、リカバリー速度などの点で、リングほど高速でなくてもよいのなら、ラピッドスパニングツリーを使用してもよくて、またそれほど多くのスイッチを使うことがなければ、例えば2台しかないといった場合に、リンクアグリゲーションでケーブルを複数つないでもいいのだろうと考えます。

冗長化の仕組みは、通常の状態では機能しておらず、万が一の保険のような部分でもありますが、その施設の大きさに応じて、そこにどれだけのコストがかけられるか? というバランスで決まるものだろうと思います。よって、施設の特性によっては、リングトポロジーの冗長化などが、最適な場合もあれば、逆に過剰な設備に なってしまう場合もあるし、私は、必ずしもリングプロトコルのネットワーク化が必要だと言っているつもりはないのです。

 おそらく、これまで当ブログにおいてや、セミナーの他、協会雑誌などで私が発信する内容が、リングプロトコルを使った冗長化のシステムに集中していたため、まるでそのシステムの伝道者のような視線を浴びてしまったのであろうと感じます。(何年か前、とにかくリングトポロジーの良さを皆さんにお伝えしたかったの は事実ですが)

残念なのは、こうした行為によって、私が他のシステムに対して排他的な姿勢にあると多くの人に印象つけてしまったことかもしれません。でも、それは誤解で、リングトポロジーを組むほどの規模ではないという場合、先にあげたラピッドスパニングツリーなどのシステムを利用するのは、やぶさかではありません。要はその設備にマッチしたものを選択するということですね。

追記

幹線の選択について、規模が大きくなった場合、光ケーブルの選択は、私はベストだと感じています。
ノイズレスの点、将来性についても、光ケーブルはよい選択ではないでしょうか?