久しぶりの更新です。今回は、少しネットワークの話をしてみます。
弊社は他の方々がどう思われているかは、さておき、照明信号の分配に関するネットワークシステムを提供する会社だと自負しており、機器のご提供だけでなく、自分たちの考えるシステム構築に関するアイデアや情報をご提供することも重要な役目であると感じている次第です。

そんなわけで、昨年のInterBEEにおいては、ネットワークの知識と題したチュートリアルセッションなどにも登壇させていただいたし、またこれまでにも、照明設備においては、リングプロトコルを利用した冗長化の仕組みは有効であると、解説をしてきました。(リングプロトコルの解説

この話は、特にDMX信号の基幹経路として、リングプロトコルを利用した冗長化がもっとも有効であるという論旨で、決して末端のスイッチや、特定のスイッチにぶら下がるノード等の機器までをも保護する目的ではなく、コンソール側のスイッチが2重化できる上に、経路が2重化されることで、信号経路のための予備回線を設けることができるというものです。

このシステムにおいては、各拠点での電源喪失や、トラブルによってシステム全体をダウンさせないという意図があり、ネットワークにつながるすべての装置をバックアップするようなものではないです。しかし、これまでにも、バックアップシステムを強調するがあまり、基幹システムの保護の観点を逸脱し、末端の機器にまでバックアップが効かなければ、こうした仕組みは意味がないというような誤解した論理を展開される方や、ノードの末端までリングにすべき?というような話もあり、バックアップシステムとか冗長化というと、かなり話が飛躍するものだと感じたものでした。

 リングプロトコルによる冗長化の良さは、そのリカバリー時間の早さ、システム全体の保護の有効性にあり、スイッチ個々の故障すべてに対応するものではなく、本当にすべての機器のバックアップを考慮するなら、すべての装置、ノードやムービングライトや何もかもが2台以上必要になり、事故が発生する確率に対して保護を計るためにかかるコストとのバランスは大きく崩れます。そこは皆さんご理解いただけるものと思います。

 さて、幹線の保護に最適なのは、言うまでもなくリングトポロジーの仕組みですが、経路を2重化する点では、物理トポロジーがリングのようにシンプルならば、ラピッドスパニングツリープロトコルでも同様の効果が得られるでしょう。(切り替わる速度は、やはりリングが早いですが)私はスパニングツリーの仕組みを否定しているわけではないので、切り替わり速度が高速なラピッドスパニングツリーを利用するのなら決して反対ではないのです。ただ比較するならリングプロトコルのほうがどうしても高速になりますよね?ということです。このあたりはコストとまた効果を天秤にかけてバランスをとっていただければいいのでしょう。

そして、末端のノードや機器に至る経路を2重化したいというのであれば、ノードそのものがトランクポートを持ち、リンクアグリゲーションのような仕組みで複数のイーサネットポートで受信する方法があります。ただ、ノードはそこまでは対応しておらず、現時点でこれは不可能ですが、ネットワークの技術を使えば、こうしたことは可能になるのは確かです。コストの面はさておいてですが。