RDM1

 今日、ある機材でRDMのテストをした。使用したRDMモニターはLuminetMonitorV2だ。
もうずいぶん長い間、照明世界でRDMの噂は続いているものの、「未だに普及しないじゃないか」とか、「RDMって必要なの」?といった意見も聞かれるし、「ネットワーク環境が整ったら普及するんじゃないか」といった声もあるけれども、やはり周りでみかけることもなく、多くの人がRDMそのものに、必要性を感じない気持ちもわからないではない。しかし実際に触れると便利なものは便利と言うほかない。

さて、確かに周りに使ってる人も見ないし外国勢も使っているように見えないRDMだが、これにはユーザーがRDM未対応の機材を数多く保有して運用している現状があるし、キラーアプリとなるコントローラーソフトもないのが主な要因であって、PLASA(ESTA) やメーカーサイドに否定的な話はない。RDM搭載機材が普及すれば、皆、使うことになるだろう。

RDMはオペレーターやデザイナー向けの機能ではなく、フィクスチャー管理のための仕組みであって、テクニシャンサイドに大きなメリットがある。だから余計に日本国内では受けが悪いのだろう。また、RDMで得られる情報が果たして重要なものかどうか?と言われれば、ツアーを生業とする人からすると、それもさほど必要ではないかもしれない。しかし、メインコンソールがプログラム中でも、またオペレーターがいない場合でも、コンソールに触れることなく、PCからフィクスチャーのランプチェックや動作テストができるのは、やはり便利だと思う。プログラマーやオペレーターから一時的にコントロール権を奪取して、目的のフィクスチャーをチェックできる機能は、テクニシャンやシステムエンジニアにとっては強力なツールと言えるだろう。

また、LuminetモニターV2のようなツールを使えば、常設の設備などでフィクスチャーの状態監視ができるし、その情報をメールに添付して定期的に送る事もできる。まさに管理ツールである。こうした仕組みが、特別なシステムでなく、RDMに対応さえしていれば、どんな機材の管理もできるのが、RDMの良さである。それでも普及しない?いや、使わないだけで、すでに多くのフィクスチャーには搭載されてきますよ。その時、それを積極的に使うか使わないかだけで、普及していないように見えて、そのうちありふれたものになるだろう。

先に書いた通り、この仕組みはあくまでシステム屋さん向けの機能であって、多くの人にはあまり興味のわかないものになるのかもしれませんが、パッチを後から行えるとか、Fixtureの設定とテストなどを1台のPCで管理できるとなると、LED機材が増えて、どんどんインテリジェントフィクスチャーだらけになる劇場やコンサートステージでの仕込み時間短縮とか、問題解決の時間短縮などに、大きな効果を与えるだろうと想像するに、管理職の人からすると、導入することのメリットは大きいと感じられるのではないでしょうか?