2009年、PLASA Innovation AwardをとったLumenRadioは、それ故この手の輸入代理店の人がすでに知った存在だったと思う。あれから3年、最近、注目が集まるルーメンレディオ社の製品について、いまさらワイヤレスDMX?という疑問とともに解説します。

 自分とLumenRadioとの出会いは、ルーメンレディオがPLASA Awardをとったまさにその会場で、W-DMXの代理店をしている人から紹介されたのが最初だった。まだ小さなブースで、派手さもない非常に素朴で控えめな現在のCEOとCTOの2人とスウェーデンに留学中だった中国人の青年が説明を行っていた。

その当時から彼らの製品は、完成されたRDMモニターのソフトを持ち、非常に安定した動作をしていたため、強く興味をもったものの、当時の自分はLuminexのネットワーク装置に夢中で、過去に経験したワイヤレスの苦い経験も手伝い、気持ちは微妙だった。さらには電波を使う装置ということで、おそらく他の方々同様に電波法の認可申請の煩わしい手続きに、仕入れを躊躇したのは事実だ。

そしてまたワイヤレスDMXというすでに国内では十分にコモディティー化した感のある製品を前に、代理店となることを決めかねていた。それから2年の歳月が過ぎ、ようやく覚悟を決めて電波法適用に向けて動き出したのが昨年です。その間にもLumenRadio製品はOEMという彼らのコアビジネスで拡大を続け、あっという間に世界的なワイヤレスDMX専門企業へと躍進していった。そのため、今では他のFixtureメーカーからも販売が可能になるとか、他の輸入販売代理店さんが手がけるつもりだという話をちらほら聞く。果たして今後のLumenRadioの方針がどうなるかであるが、現在のところマイルランテックは、彼らの正式な日本の代理店となっている。

 さて、なぜこのワイヤレスDMX装置をてがける気になったかというお話ですが、ネットワークプロトコルをサポートするワイヤレスDMX装置が、当社の他の製品の補完となる点とまた、その技術のすばらしさに、どうしても関わりたくなったというのが本音です。個人的には、電波に関しての知識はこれまであまり勉強してなかったこともあり、やや苦手な分野ではありますが、LumenRadioの周波数ホッピングのための特別なアルゴリズムがすばらしいくらいには理解できるし、またそれがISM帯域の混雑した日本の環境において非常に有効であることもわかります。

LumenRadioが採用するFHSS(周波数ホッピング)という仕組みは、もう1つのスペクトラム拡散方式であるDSSよりも確実な通信が可能だと思う。普通のスペクトラム拡散方式が、5MHzごとに中心周波数を定義して周波数帯域全体を13chに分割し、その中から1つのchを決めて送信するのに対し、FHSSでは1MHzごとに、つまり1スロットごとにランダムに周波数を切り替えるため、たとえ他の電波とぶつかってもほとんど影響を出さず、安定した通信が行える。 (詳しくは当社の解説ページ

FHSSは特別な仕組みではなく、多くのワイヤレス機器で使われているものだが、どの程度ランダムにまた、高速に切り替えるかの技術こそが彼らのオリジナルであり、それが優れているからこそ、多くのフィクスチャーメーカーから採用されるのだろう。そして同時に彼らの製品がネットワークプロトコルに対応しており、複数のユニバースをネットワーク経由で受信し、その中から任意のユニバースを選択して電波で送信できる。このあたりもマイルランテック好みだったのは言うまでもなく、まさに琴線が揺れたポイントでした。