昨年のInterBEEでは、ショー演出とその関連製品の展示という形態のイベントが開催され、映像と照明機器それぞれがArtnetのような汎用プロトコルで制御されるネットワークを構築した。(ネットワークは必要ないと言う人がオペレーター内にもいたけれど、宣伝も兼ねてるので、そうするのが自然だった。そうでないと、こちらに参加するインセンティブが働かないでしょ。)

 ショーコントロールのシステムや照明のネットワークは、L2の単純なネットワークであり、スイッチ同士をつなぐだけで構築できる。照明機器の箇所にはノードを設置するだけ。「Just 簡単です」そしてそこにL3スイッチがいらないのは明白である。ルーターやレイヤー3の高価なスイッチが必要だと言う人は、何か誤解している。

 L3スイッチが高速なのは確かだが、レイヤー3のような高いレベルで行うルーティングは、ほんの若干だが、ディレイが発生することは明白である。その点レイヤー2の装置つまりはスイッチングハブは単純が故に高速である。名前の通りスイッチしているだけだ。

 ルーターやレイヤー3のスイッチは、異なるネットワーク同士をつなぐ役目であり、そうしたインテリジェントな装置が持つ各種の機能は、最近ではL2スイッチでも実現されている。今やL2スイッチとL3スイッチの間に入るようなインテリジェントスイッチが登場してきているのである。そういう状況を見ていると、そのうちL2もL3も違いがなくなり、レイヤーレスになるのでは?という意見もあるが、やはり価格面でもL3とL2の違いは明白だ。そして必要のない箇所にL3やルーターは、やっぱり、いらないのである。システムはシンプルなほうがいい。

 では、L3レベルのルーティングがまったく必要ないか?と言うとそうではない。今日、当社の井上が行っている音響システムの為のネットワークスイッチの設定(大規模な体育館やホール設備用)においては、音のストリーム以外にも制御用のネットワークがVLANで複数切られており、監視及び管理PCからは、すべてを管理できるようにしたいという要望がある場合、L3スイッチが必要になる。VLANで切られた複数のネットワークをつなぐためである。そしてまた、照明においても、大きな設備になり、管理PCを照明ネットワーク以外の箇所のネットワークからつなぎたいという要望も出てくる。そうした時にはじめてルーティングの必要性が出てくる。

 こうしたことはシステム上における要望を実現するために必然性を伴うものであり、機器選定はネットワークの場合でも、同様に明確な基準が存在するという当たり前の事実である。そして最近は誰でも構築できる簡単になったネットワークシステムではあるものの、こうした異なるネットワーク同士をつなぐ時や、いまだ高価で設定が面倒な一般のスイッチベンダーの装置を使う場合にネットワーク専門技術者の活躍する場があるのである。

マイルランテックは、こうした高いレベルのネットワークシステムの問題解決も行うとともに、同時にステージ業界の人が難しい知識なしに使える装置の提供を行いたいと考えています。そうすることで、舞台の方々が、安心して自分たちで管理できるネットワークを構築できるとともに、大規模なネットワークシステムがからむ設備においては、ステージサイドとITサイドの間に入って問題解決ができるものと自負しております。