先日、新国立劇場で上演されているオペラ「ルサルカ」の初日に立ち会うことができました。
このオペラでは、正面の位置と左右のフロント位置からプロジェクターの映像が照射され、加えてステージ上部に吊られたプロジェクターから床に向けても映像が打ち出されています。

これら4つの映像出力はCatalystとMACからのもので、1台のMACから4つの映像送出が行われています。映像コンテンツ自体は単純な水をイメージさせる波紋系の抽象的なイメージ動画で、画質もさほど高くはないものですが、水の精のシーンや魔法がかかるシーンなどで非常に効果的に利用されています。

劇場では照明を抑えた明かりを作る事ができ、プロジェクターによるステージビジュアルへの効果は、こうした場所でもっともその効果を発揮できます。その意味では巷で流行中のプロジェクションマッピングなども、舞台ではより効果的且つもっと工夫された演出として取り入れることができるのだと思います。

今回の舞台では、場面によってはプロジェクターとムービングライトのみで構成され、映像なしでは成立しないようなシーンもあり、いかに映像演出がこうした舞台でも浸透しているかを実感させます。そしてカタリストを使用することで、映像を出したい位置に曲げて出すとか、4つのプロジェクターの管理が1つのコントローラーからできるといったことが可能となっています。まさにCue管理による映像送出が実現できた感じです。

今後は、こうした舞台が増えてくるだろうと予想されます。Catalystのようなメディアサーバーによる映像送出と照明コントローラーによるトータル制御はやがて舞台ではスタンダードなスタイルになるのでしょう。