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 そういえば、先週の土曜日になんとか時間を作りシーテックを見てきました。気になる4Kの映像については、遠い先の話ではなく、コンシューマーレベルでもやがて普及するのだろうなという感想を持ちました。やはりきれいですね。この高画質の追求は映像の場合、果てしないテーマなんですね。

 それからもう1つの最近のキーワードが立体です。上の写真は3Dテレビとかではなく、レンズを使って空中に像を結んで立体映像を表現する大画面の裸眼立体映像の展示です。これはすでにパイオニアさんが小さい表示装置でやってたので、驚きは半分なんですが、大画面で実現したのはすばらしいなと思います。

 最近はこの3D映像だけでなく、プロジェクションマッピングとか、多角的視点での映像演出といった空間演出としての映像という話題がネット上などにも出てきますが、この3D映像とやらを見ながら、舞台空間に求められる映像演出と、この3D映像を求める映像分野の人々との間にある溝がいかに深いかを感じます。

 この3Dプロジェクションにしろ、プロジェクションマッピングにしろ、これらは、映像を見せることのほうに目的があり、今のところ、その活用事例のほとんどが、演出の中に組み込まれた1パートではないことが多いと思うのです。どうしても見せるポイントが偏ってしまう。

 プロジェクションマッピングや3Dにこだわる人の場合、その多くが作った映像を見てほしい。単なる素材映像を使った表現じゃ嫌だとなる。それは映像作家であったり、映像世界のディレクターであるから当然で、その世界観とまた、空間全体をどう見せるか、美術や照明、衣装などに気をつかう舞台演出の人との意識の違いはかなり大きいのではないだろうかと想像します。

 昨日の記事に書いた石橋氏のように映像ディレクターでありながら、独自の世界観を表現するアーティストでなければ、もしかすると2つの世界を結びつけて、1つのデザインに昇華するのは困難なのかもしれない。