74797f89.jpg  新品のHPインテリジェントスイッチを、箱から出して電源を入れるもIPなんてふられていないので、RS232Cでつないでターミナルからコマンドを打って設定する。 「慣れるとコマンドのほうが、早いんですよね」と井上は言う。井上の前職での専門はサーバ-だが、ネットワークに関する実務も当然ながらカバーしている。しかし本来はサーバーとネットワークインフラの仕事は分離されていて、それぞれのチームで仕事をするそうだ。当然DBも別だしアプリチームもまた異なるチーム。そういういくつかのレイヤーに分かれて業務を行う。それぞれは専門分野をもつけど、ゆるやかにそれぞれの仕事について理解しているらしい。  ただこれら実務はすべてコンピューター上で行う仕事で、当然ケーブルを引くというワイヤリングの仕事はいわゆる電気工事のレイヤーであり、彼らは電源も含め通信インフラが出来上がったところに乗り込んで仕事をすることになる。ネットワークインフラという言葉でひとくくりに見えてしまうこうした仕事も、ケーブルやハードの部分については完全に分離された世界なのだ。この点では私がイメージしていたインフラという言葉のイメージが電気工事の部分を含んだものであるが故、違和感を感じたことがわかった。自分はどうやら、すべての業務を1つに考えていたようである。「舞台におけるネットワークインフラ」  その意味では、うちの仕事は確かにネットワークインフラを作る仕事かもしれない。  さて、そのネットワークレイヤーの人々はスイッチの設定が主な仕事になるが、この手のインテリジェントスイッチのコマンドはユニックス系からきているため、皆、似てくるのだそうだ。結局はシスコシステムズの高級なスイッチだろうが、HPだろうが、だいたいは同じで、すぐに理解できるそうである。インテリジェントスイッチというのはこの製品のようにL2ベースにVLAN機能をもったものの他、L3スイッチ(ルーター)やその上にL7スイッチなどがあるが、やはりこれらを舞台業界におすすめはしない。 業務用だと、こういうスイッチが普通ということになるが、果たして慣れない人が最初からこういうスイッチを理解して、使いこなすことができるだろうか?という疑問が出てくる。確かに慣れれば簡単だが、舞台の仕事に専念しなければならない人に、余計な仕事を増やすだけじゃないだろうか? コンシューマーレベルのスイッチでは問題があるが、かといってプロシューマーのスイッチがいいのかというと、決して誰でも使える便利なものとはいかないようだ。だからこそ、ステージ向けのネットワーク製品が必要なのだと私は思うのである。