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 奈良の国立博物館は、奈良市登大路町にあり、重要文化財の指定を受けた風格ある建物が印象的。周囲は緑の公園に囲まれており、落ち着いた美しい景観だ。そんな博物館の建物の形状を利用して、catalystによるプロジェクションライティングが短い期間であったが行われたのでレポートしたい。

 大阪の光工房さんが組んだシステムはMA on PCのアジェンダで自動制御される演出システムで、すべてのコンテンツは静止画であるものの、Catalystによるレイヤーポジションや回転の機能で見事なアニメーションを作り出していた。 もっとも重要なことはマスクを使って建物の各パーツにそれぞれの画が見事に張り付いており、それはまるでライトアップされた建物のような錯覚を起こす。

もちろんLEDをつかった本物の照明も同時に制御されており、これを単に映像プロジェクションと定義すること自体がこっけいに想えるほど、照明と映像の垣根を越えた演出だった。 もし、単なる映像を建物をスクリーンに見立てて送出していたら、これほど多くの観客を集めることも、自然に発生する感嘆の声を得る事はできなかっただろう。

これは映像ではないのだ。例えばそれは、静止画とその動きで魅せる非常にユニークな照明演出と言えるだろうか?いや、今や映像も照明もその分類自体が意味をなさず、これぞまさしくプロジェクションライティングであり、こういう演出を実現したことはすばらしいと思う。 ここにまたCatalystとMACによる新しい演出例が誕生した瞬間だった。