Show Technology2

トータルショーコントロール/(株)Mileruntechのブログ

2011年11月

FinalCutのえらい変わり様

FCPX

 ちょっとiMovieみたくないですか?新しいFinalCut... 素人ぽい感じが漂います。

実はわけあって、1つ購入することになったのですが、なんだか妙に簡単になった印象があります。
今さっき、ダウンロードしただけなのでまだ詳細はわかってませんが、それよりも、このソフトウェアの購入方法が、MACのAPPストアからのみというのが驚愕です。

APPStoreで購入すると、ダウンロードが開始され、直接そのコンピューターにインストールされちゃいます。もうディスクなんていらないよ。と言わんばかりに、そういえば最近のMACminiには光学ドライブすらついていませんね。パッケージ販売を完全に捨て去ってますこの会社。

これがいいか悪いか言われると、おそらく小売店は、たまったもんじゃないですよね。この独自の流通網でユーザーにダイレクトにお届けするというスタイルは、多くの人がきついなあと思いつつも、普通になっていくんだろうなあ〜ソフトウェアの場合。。






映像と照明が融合したオペラでの演出

先日、新国立劇場で上演されているオペラ「ルサルカ」の初日に立ち会うことができました。
このオペラでは、正面の位置と左右のフロント位置からプロジェクターの映像が照射され、加えてステージ上部に吊られたプロジェクターから床に向けても映像が打ち出されています。

これら4つの映像出力はCatalystとMACからのもので、1台のMACから4つの映像送出が行われています。映像コンテンツ自体は単純な水をイメージさせる波紋系の抽象的なイメージ動画で、画質もさほど高くはないものですが、水の精のシーンや魔法がかかるシーンなどで非常に効果的に利用されています。

劇場では照明を抑えた明かりを作る事ができ、プロジェクターによるステージビジュアルへの効果は、こうした場所でもっともその効果を発揮できます。その意味では巷で流行中のプロジェクションマッピングなども、舞台ではより効果的且つもっと工夫された演出として取り入れることができるのだと思います。

今回の舞台では、場面によってはプロジェクターとムービングライトのみで構成され、映像なしでは成立しないようなシーンもあり、いかに映像演出がこうした舞台でも浸透しているかを実感させます。そしてカタリストを使用することで、映像を出したい位置に曲げて出すとか、4つのプロジェクターの管理が1つのコントローラーからできるといったことが可能となっています。まさにCue管理による映像送出が実現できた感じです。

今後は、こうした舞台が増えてくるだろうと予想されます。Catalystのようなメディアサーバーによる映像送出と照明コントローラーによるトータル制御はやがて舞台ではスタンダードなスタイルになるのでしょう。


プロジェクションマッピング?

pmIMG_1761

 Catalystを使って、プロジェクションマッピングのテストを行いました。正直、照射対象が複雑な形状になると、無理があるので、そういう場合はいわゆる3Dモデリングを行い、一般的なマッピングの手法を使っていただければと思いますが、写真のようにいくつかの四角の面であれば、SubMixを組み合わせて、キーストーンでマッピングできます。

半円の前に置いた箱は、もちろんXYオフセットをかけて1画面にしてあるので、1つのコンテンツをスケールさせると、複数のキューブで1スクリーンが構成されます。写真の様子は個々のレイヤーをそれぞれの位置に移動してキーストーンをかけて貼付けてあります。左手前の暗いところも、画があるんですが、タイミング悪く暗く映ってしまいました。

 最近、なんだかプロジェクションマッピングそのものが目的になってるようですけど、Catalystはこういうのを見た目で、簡単に調整しちゃいます。リアルタイムにポイントを動かして補正するのです。
写真の例は、半円で1SubMixを使い、箱で2〜7SubMixを使用しています。もちろん面が増えればそれだけ多くのSubMixが必要になるので、この手法には限界があります。しかし大事なことはいかに素早く見た目におかしくない画を作るかであって、モデリングデータを使った3Dマッピングとはまた異なる方法論です。やってみると調整自体は簡単だし、意外と楽しいです。なにせ、画を見ながらリアルタイムに調整できるのですから。。スタジオに帰る必要などないんです。現場で調整できちゃいます。




CatalystとMovingStarのためのArtnetコントローラー

toshiba


 東芝ライテックさんのブースにあったCatalystとMovingStarのためのアートネット出力のコントローラーです。(もう、あれから1年くらいですかね。感無量というか、これを目にできただけでうれしい)

 画期的な点は、Catalystの映像コンテンツをサムネイルで表示するだけでなく、キーストーン調整やブレンディング調整など、レイヤー制御だけでなくサブミックスのコントロールも可能なことです。
これにより、メディアサーバーの制御を行いながらMovingStar(ムービングプロジェクター)の操作とまた、そのシーン記録ができます。

これにより、CatalystとMovingStarのトータルな演出が可能になります。こうした東芝ライテックさんの新しい取り組みと開発力には敬服します。短い時間ではありましたが、説明をうけた印象では、簡単で、まさに一般のユーザーさんが扱うのに適した操作感でした。

結婚式場やホテルのほか、さまざまな商業施設等において、CatalystとMovingStarを組み合わせた演出に最適なソリューションになるでしょう。

噂では、Catalyst以外のメディアサーバーでも対応できるバージョンを製作中とのことですが、悲しいかな、そういう浮気は仕方ないでしょうね。さらにいい製品が登場することを願います。







DMXパラメーターと古い機材と耐えられない相性の悪さ

弊社で扱うLuminex社のDMXノードは、DMXの入力と出力、両方の機能を搭載しています。
出力はもちろん、イーサネットで送られてきたDMXをXLR5Pinで出力するための機能です。そして、入力はというと、DMX出力しかないコンソールをネットワークにつなぐためのもので、コンソールの出力をノードにつなぐことで、このDMXはイーサネットプロトコルに変換されます。

 このDMXの変換機能は、ノードの重要な機能でありますが、この部分だけをみると、ノードも単にDMX装置であり、DMXの相性問題は避ける事ができません。本当にこれがやっかいです。

そこでLuminexでは、新たなバージョン(v4.1.0)からは、DMXの入力時、DMXのブレイクタイムを最小値からサポートするようにしました。よって理屈では、ブレイクタイムのずれによるフリッカーは発生しないはずです。また、出力のほうは、リフレッシュレートとブレイクタイムをユーザーが自分で変更できるようにしてあります。これにより、基本的には入力も出力も相性問題に対応ができることになります。

このDMXパラメーターのばらつきによる相性問題というのは、DMX512AでTypical 値が仕様書に書かれている今では、新しい機材では起こらないようになったものの、過去に生産された数多くのDMX機器で、いかにDMXという規格に幅があったかを実感できるほどに、いろいろ悩まされる。。

 さて、そんな相性問題が新たに発生か?という現場があって、呼び出されたものの、DMXのパラメーターの違いによるフリッカーならば、もっと頻繁に現れてもいいと思うのだが、そうではない。
そして現場では、どうもコンソールの出力がおかしいことが、DMXテスターで発見されたものの、コンソールの会社の人が、ネットワークによる照明の反応速度が遅いとか、DMXの信号が途切れてレベルがキープされた状態からの解除がおかしいといった話を追求してくる。(それは今、関係ないでしょ)

結局、コンソールの出力が確かにおかしい上に、最後には出力すらしなくなった。コンソールを交換してすべての問題は解決された。しかし、こうしていつも新しいものであるネットワーク製品は、疑われ続けるのである。そしてその対応を続けて行くしか彼らの不安を取り除く術はない。きっと今日も明日もこの先も、ネットワークが原因ではないことを証明する旅は続くのである。






Luminexのフォールトトレラントシステム

18日のチュートリアルセッションを聞いたと言う産業用の制御機器やスイッチングハブを作る会社の方が、弊社ブースにいらっしゃいました。

「 弊社は産業用の制御機器、Moxaみたいなシリアル信号の機器や、産業用オートメーションのネットワーク機器を製造しております。少しこの業界に興味があって来たのですが、想像以上に進んでるんですね。そういう印象です。」というお話だった。

 弊社の提案しているLuminex社のフォールトトレラントリングは、産業用のネットワークなどでは一般的で、またデータセンターなどを結ぶラインにおいても、よく聞かれるシステムです。特にこのリングプロトコルを開発したエクストリームネットワークスのシステムなどは強力ですが、Luminex社のリングもなかなかのものです。

「リカバリータイムはどのくらいですか?」「50msくらいですかね」(実際は30msプラススイッチの数×5ms)   「それは速いですねえ」

 舞台産業も一般のネットワークを利用する世界と比較すると特殊な分野と言える。一瞬でもネットワークが止まる事は許されず、どこかの拠点で電源喪失があったとしても、ネットワーク全体が機能しなければならない上に、その切り替わりも瞬時に行われることが求められる。50msはかなり速いほうだ。

「チュートリアルの最後で提示されていたショーコントロールのシステムなんて、弊社でやっている制御システムとほぼ同じですよ。すごく進んでいると思いました」

「ショー産業と言っても、使っているのはコンピューターですから、ネットワークシステムを導入すると、その進化速度は他の産業と同じになりますよね」


 フォールトトレラントループは、スイッチにコストがかかるし、光ファイバーを施工するのもコスト高になる。しかし、他のオートメーションシステムや、重要拠点のネットワークシステムで利用されている事実を鑑みると、舞台における制御信号のバックボーン回線で、こうしたリングの冗長化を行うことは、間違いでないと自信をもった昨日の話です。



遠くはない未来への想い

18日、InterBEEのチュートリアルセッションで話をする機会をいただきました。
人によっては、まさか、私のような無名のしかも、単に機材を販売している小さな会社の経営者が、登壇して話をすることなどあるのだろうか?と思ったかもしれないし、また、人が集まるのか?また、ちゃんと話ができるのか?といった不安などあったかもしれませんが、それなりに席は埋まったし、また午前の部の方と異なり、ジャスト90分内で収めたし、言いたいことも言えました。

(実は、私セミナー慣れしてるんで、どれだけ多くの人の前だろうが、自分の分野であれば、緊張もせず、え〜あ〜う〜のようなつまりもなく、きっちり話できるんです。時間内で)

 私も正直、万人受けするタイプではないのですが、それでも私の話は、自分なりに分析した内容で、間違いはないと自負しています。きっと、近い将来ですが、ショー演出空間(劇場も含む)においては、各種機器の制御システムのインフラがネットワーク化され、それはリングトポロジーやメッシュトポロジーなどのリダンダントシステムが組まれ、その上でショーを司るさまざまなプロトコルが運用され、ショー制御のためのシステムが組まれることでしょう。

 つまり、今行っている照明のための制御用ネットワークは基礎であり、やがて照明だけでなく制御用のネットワークとして、それらは運用される。それ故、劇場等のネットワークにはリダンダントシステムが必要で、また運用する技術者にもネットワークスキルが重要になるという論旨です。

 今回のチュートリアルでは、ネットワークとその技術の基礎というテーマであったものの、最後には、そういう話をすることができ、我が社がどこへ向かっているかを披露することができました。これは種明かしです。

いろいろと自分の中ではハプニングもあり、セッション途中は淀む場面もありましたが、まあ、そこはなんとか切り抜けましたね。誰も気づいてないようでしたので、結果的には成功だったと言えるでしょう。InterBEEの事務局の方からも、そのうちまた機会があるでしょうとのお話でしたし、いつかまた、次の自分の研究結果を発表したいと思っています。



嵐のような

InterBEEが終わりました。今年はいつも通りとはいかず、いろいろとイベントがありましたし、うちのブースも照明部門で、しかも壁際の支柱に押し込められるような位置にあり、立地環境が悪かったせいか、あまり人の目に触れなかったかもしれない。(次回はやっぱり映像部門かな)

しかし、それを補うためのセミナー効果を期待して17日と18日は壇上に上がったわりに、実は17日のシンポジウム(シンポジウムではないな、あれは)会場で言いそびれたんですよね出展してること。。。

 さて、いろいろなことがあった今年のInterBEEですが、まずは17日のセミナーで数多くの照明業界の各社様に助けていただいたことに、心よりお礼を申し上げますとともに、正直なところ皆様にとっては、ご迷惑だったことも理解はしておりますので、その点については、こちらの力不足や配慮の至らなかった点、お詫び申し上げます。

 ただしかし、映像業界の展示会において、これまで照明部門があまり評価されず、存在感もなかった状況に大きな一石を投じた意味においては、インパクト十分で、映像と照明が今後、ますます深く結びついていくことを感じさせる話をすることもできました。その部分はとてもよかったなと自己分析しています。


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