最近、よくある相談に、6面のプロジェクター映像送出とか、9面の出力を行いたいが、MACは何台でいけるのか?といったことがあります。
当然ながら1台のMACで、できるだけ多くの映像を出力できれば、コストは抑えられるわけで、多くの人が、マトロックスのTH2Gを2個つないで6面の出力をしたいと言うわけです。しかし、TH2Gは魔法の箱ではなく、3840×1024という巨大なモニターがそこにあるよとMACに教えてるに過ぎなくて、実際の画面描画はすべてグラフィックカードでまかなうわけだから、TH2Gを2つつなぐと、MACは7680×1024の巨大な画面を描画することとなり、それは相当な負荷であろうと想像するわけです。
そして、結局どうなるか不安だから、納品する側としては、ついMACを増やした方が安全ですよ。と言いたくなる。というのが私の立場だったりします。。しかしそれでもやりたいというお声をいただき、ましてやそのお客さんは、Congoというリモートコントローラーをお持ちなわけだからCatalystの制御画面は必要ないとなると、6面出力やりたくもなりますよね。わかります。
ということで、長い前置きでしたが、MACPROで完璧に6出力は、できるのか?できないのか?と、それを検証するとともに、機材納品をしてきたのが本日のお話。
MACのスペックとグラフィックカード
標準的なMAC Pro 8Core 2010 mid
グラフィックカードはQuadro4000 for MAC
TH2G デジタル版を2個と4:3のモニターを6個用意して、検証開始です。
Quadro4000を選んだ理由には、MACPro標準のATI5770 & 5870で、Th2Gを使うと画面が崩れて、何度かUSBを抜き差ししないと認識しないとか、外国の人が言うマルチ出力は、よくないと言ったネガティブな意見があったためで、しかも相当なパフォーマンスが必要だという認識から、これ以外には考えられなかった。(5870で6出力してる人もいますが、自信がなかった)
Quadoro4000forMACは、DVIポートとディスプレイポートがついてます。このディスプレイポートはMACでよく見るミニディスプレイポートではなくフルサイズのDPです。
ただ箱の中には、DisplayPort>DVIのケーブルと、ディスプレイポート>ミニの変換もついてます。
(このDP>miniDPの変換は市販されてないですね。普通の量販店では)
最初は付属のディスプレイポート>DVIの変換を使って、TH2Gをつないだのですが、これだと最初、うまく認識せず、マトロックスのコントロールパネルから解像度設定を操作しているうちに、認識するようになりますが、DVIポートが3840×1024までの解像度が選択可能なのに、ディスプレイポートからの出力画面では、なぜか2400×600までしか選択がありません。あれこれ設定をしてもダメなものはダメ。
そこで、DualLinkのDVIが必要なんだろうなと仮説をたて、ディスプレイポートからDualLInkのDVIという変換を探すも、まったく見つからないため、仕方なく1万2千円もするAppleで販売しているDualLinkアダプターという製品を購入する。これはミニディスプレイポートのタイプなので、Quadroに付属するディスプレイポートからミニディスプレイポートへの変換を利用して接続する。
最初、画面が崩れて正常に描画しないので、USBを抜き差し(このDualLinkアダプターはUSBのバスパワーを利用する変換ボックス)して認識させると、2400×600で正常に表示するようになる。一度認識すると、次回からちゃんと2400×600で立ち上がってきます。しかし、DVIポートのTH2Gだと3840×1024の解像度選択があるのに、ディスプレイポートのほうは、DualLinkアダプターを利用しているにも関わらず、2400×600の固定である。それ以上の解像度が表示されない。
なかば諦めかけていた頃、マトロックスのアイコンをクリックして表示するいつものコントロール画面ではなく、ChangeDisplayを選ぶとダイアログが表示され、2400×600と3840×1024の選択ができるため、3840×1024を選択すると、ディスプレイポートの出力画面も3840までの選択が可能となった。
それ以降はスムーズです。起動しなおしても、3840×1024の2画面できっちり動作しています。やはりDualLinkアダプター(アップルで購入する)がないと、ディスプレイポートの出力は3840 × 1024の最大解像度が設定できないらしい。そしてその認識にはマトロックスアイコン(MACの上部タブに表示されている)をクリックして出てくるメニューからチェンジディスプレイを選び、解像度を設定、一度設定したら、次回からMACは3840×1024の2画面を正常に表示して起動してきます。
Catalystを利用して、サブミックス6個をそれぞれ、オフセット−5, -3, -1 +1. +3, +5に設定すると1280×1024の画面が6つ横につながり、巨大な画面が構築できました。映像を再生したり、横にスクロールしてみたりしても問題はなく、ズレや乱れもありません。映像の再生もなめらかな感じです。
こうして本日のテストでは、MACPRO 8Coreで6面出力は問題なくできるという答えが出た訳です。
必要なものはDualLinkアダプターである。個々の出力の最大解像度は1280×1024、設定変更はマトロックスのメニューからチェンジディスプレイを選択して解像度を指定する。
今回、利用したカードはQuadro4000というもので、DVIとDPの異なる2つのポートでしたが、今後はミニディスプレイポートが主流になるのかもしれません。そうするとTH2Gもディスプレイポートバージョンをメインに利用することになるのでしょう。DPバージョンだとすなおに3840×1024で認識するようですし、DVIは消える運命になりそうなそんな予感がします。
今日はいい勉強になりました。(そして授業料もそれなりに)